注文住宅のネット販売はムリか?


今、メディアでは毎日のようにコロナ感染者数と、このコロナ禍による様々な業界での影響や、対策に取り組む企業と人の姿が報じられています。

これらの情報は、コロナがもたらした変化の方向性が見えてきます。

 

以下は、日本経済新聞の8月6日朝刊のトップ記事です。

※ちょっと前の記事ですが…

 

「営業・接客『脱対面』広がる」

 

「新型コロナウィルスの感染問題で人との接触を避ける動きが広がるなか、対面を前提としてきた販売や営業の遠隔実施に企業が取り組み始めた。」

 

という書き出しで始まるこの記事に、対面販売の代表格である住宅の販売事例が紹介されていました。

 

「新築分譲マンションのオンライン見学会を6月から始めたところ、約1カ月で200組の参加を集め、20組程度成約を得たのが住友不動産だ。顧客はモデルルームを訪れることなくウェブ上で物件紹介や周辺環境の情報、モデルルームの撮影動画を視聴し、販売スタッフと住宅ローン相談ができる。契約書や鍵の引き渡しも郵送で済む。」

 

といった内容で、他に自動車販売でBMWが、家電販売でビックカメラのオンライン接客事例が紹介されていました。

 

さて、この記事をご覧になってどのような感想を持たれますか?

 

「なんだ、分譲マンションだからできるんだよ。注文住宅ではムリ」と読み過ごしてしまいますか?(これも「既読スルー」の一種?)

 

実は私も「マンションだからできるんだな、戸建てなら建売だったら可能だろうな」がこの記事を読んで最初に思ったことです。

 

しかし、一方で「マンションだからできること」で片づけしまって良いものかとも考えます。本当に注文住宅はネット販売では不可能なのかと。

もちろん、私は注文住宅を売っていないので「そんなことはない」と全否定できる立場にはありませんが。

 

しかし、「こういう時代が来ている」として、「注文住宅でどこまで対応できるのか」、そして「ネット販売によっておきる障害(ムリなところ)は何か」を考え、むしろその実現に向けて変化していこうとすることの方が重要、いえ必須だと思います。

 

こうして、世の中の流れに乗らず(先を読まず)に、今大変なことになっているのがアパレル業界です。皆さんもご存じの通り、百貨店を軸に展開していたブランドが今消滅していこうとしているのです。

 

これは正に、急激な市場の変化を読むことなく近視眼的な対応を続けてきたツケが、このコロナで一気に回ってきた結果だと言われています。

 

今回のコロナ禍のように、変化が大きいと現状維持が難しくなります。しかし、逆にこの変化に対応し自らが変われば、それは会社を成長させるチ

ャンスになるのです。

 

言い方を変えると、「変化している方向を味方にする」ということ。それは「将来はこうなる」と予測するということではありません。

「今起きていることが将来どう影響するかを見通す」ということです。

 

とすると、住友不動産の事例はコロナ禍による住宅業界の方向性を示している記事なわけです。

 

これを「マンション販売だからできる」と『既読スルー』してしまうと、今のアパレル業界のような目に合いかねないのだと思います。