コロナ禍で表れだしたデジタル棚効果


[ハウスメーカーと同じ土俵に立つ]

 

先日、宇都宮のある工務店さんが「ウチは最近アクセスがかなり増えてるみたいだし、資料請求や個別相談申込みも増えてきてるよ」と嬉しそうに話していたのも、コロナ禍が「吉」となったことが裏付けられます。ちなみに、この工務店さんはホームページもしっかりと自社の世界観が表現されていて、住宅情報サイト等へも積極的に情報を出していることが功を奏してるんだと思います。

みなさんのところはいかがでしょうか?

 

これを裏づけるのが、緊急事態宣言による外出自粛期間だった4・5月のデータ通信量。前年水準と比較して5割程度増えているようです。

これは当然のことながら、テレワークの拡大、巣ごもり消費の増加が通信量を押し上げた結果です。このことが、工務店さんの公式サイトやSNSへの流入増にもあらわれているのでしょう。

 

こうして、ネットでの情報収集が増えたということは、これまで大手ハウスメーカーやパワービルダーしか出展できない「リアル棚=住宅展示場」が、誰でも出展できる「デジタル棚」へと情報収集の仕方が変わったということです。すなわち、大手ハウスメーカーも、工務店も同じ土俵に立っていることになったのです。

※もちろん、ネット上でもネームバリューやネット広告にかける費用等を考えるとハウスメーカーは依然有利かもしれません。ただ、ハウスメーカーしか見ることのできない住宅展示場とは明らかに違います。

 

[今、変わるとき]

 

これまで見てきたように、コロナショックの影響により、住まいづくりを検討する人たちの情報収集、依頼先の決め方が変わりました。

よって、工務店の皆さんもこれに合わせて変わっていくことが、このチャンスを活かす絶対条件です。

 

これまで「完成見学会」や「セミナー」といった、自社のイベント(オフライン)に集客するための手段として、ホームページやSNSを活用していたかと思います。しかし、これからは「オンライン」をメインとして集客や自社の理解促進、ファンづくりの手段として活用、「オフライン」はむしろ顧客のランクアップや、クロージングといった「ここぞ」といった時に活用する。すなわち、メインとサブの入れ替えを考えるべきなのかも知れません。

 

これは、今後のコロナ第2波(もう来ているようですが…)、第3波に備える上でも絶対条件。第1波のように緊急事態が出されたことで活動をストップさせないことも考えると、急務であることがわかると思います。 

※でもあらためて考えると、この流れはコロナ以前から始まっていたことだということに気づきます。

これは、以前にハウスメーカーから聞いた話で、「今は、いきなりモデルハウスを見学に来るのでなく、事前にネットで見て、メールで何度か質問が来てやり取りしたうえで、ある程度納得してから初めてモデルハウスへ来る。」というお客さんが増えてきているということでした。

 

ということは、オンラインから入る住宅購入は今の「もともと持っている消費者ニーズ+コロナで加速した時代の流れ」だと考えるべきでしょう。

これからは、この流れを基本プロセスと考えて、オンラインとオフラインを組み立て直した、営業手法の確立が必要なのでしょうね。